がん放射線治療とPET
がんの放射線治療の情報とPETについてのページです。
よく見えるPET
このサイトでもたびたび紹介しているPET検査
がん細胞の活性度や全身への広がり具合などを調べられる検査です。
>>詳しくはこちら

北海道大学と日立製作所は、世界で初めて半導体技術を応用し、
従来の2倍近い画像精度を持つヒトの頭部用PET装置を開発したと
発表しました。

現在普及しているPETは、数mm程度のがんを識別することが
できるとされていますが、新しい装置では3mm以下のがん組織も
見分けることができ、小さい脳腫瘍や脳梗塞、認知症の早期発見に
役立つということです。

日立は、放射線を検知する部品に、従来使用している素材に代えて
微小な半導体を採用しました。
また、高いエネルギー分解能を活かす画像処理技術を合わせて開発し、
高い精度での計測を実現。
はじめてヒトの診断に対して適用可能としました。

この新しい技術では、小さながん細胞もきめ細かく検知でき、
解像度の高い画像を撮影することが可能となりました。
今後は、臨床治験を重ね、新型PETの実用化を目指すということです。

PETは、もともと「形」をとらえることは苦手な検査で、
CTやMRなど「形」を見る検査と組み合わせて異常を確認していました。
新しいPETに関するニュースをいろいろ見ると、本当に画像が
鮮明なことが分かります。
まだ、適用範囲は頭部から頭頚部付近ということですが、
技術が進歩して、全身をはっきり見ることができるようになれば
良いなぁと思います。

>>日立のニュースリリース(画像が見られます)
病院の「言葉」分かりますか?
病院で医師と話をする時、意味の良く分からない「言葉」が
出てくることがあります。
難しい「医療用語」を、一般の人にも分かりやすいよう言い換える
検討をしている「国立国語研究所」が
『「病院の言葉」を分かりやすくする提案』
の中間報告を発表しました。
>>詳しくはこちら 「病院の言葉」をわかりやすくする提案

研究所では昨年秋以降、ネット上で、医療関係者約1600人、患者約4200人を対象に、
医療用語の重要度や認知度をアンケート調査し、重要ながらも認知度や理解度が低い
57の医療用語をピックアップして言い換えを提案しています。

その中で「がん」に関連する言葉を探してみました。
セカンドオピニオン
 主治医以外の医師に意見を聞くこと。
悪性腫瘍
 細胞が異常に増えてかたまりになったもののうち、すぐに治療が必要なもの。
腫瘍マーカー
 「がん」があるかどうかの目安になる血液検査の値。
PET(ぺっと)
 薬剤を体内に注射してから、特別な機械を使って体の中の詳しい画像をとる検査。
 がんの有無や位置を詳しく調べることができる。
MRI(えむあーるあい)
 特別な機械を使って、体の中の詳しい画像をとる検査。
 からだの中を輪切りにしたような画像が得られる。
生検(せいけん)
 患部の一部を切り取って、顕微鏡などで調べる検査。
浸潤(しんじゅん)
 「がん」がまわりに広がっていくこと。
化学療法
 薬剤を使って、「がん」を治療すること。
QOL(きゅーおーえる/クオリティ オブ ライフ)
 その人がこれでいいと思えるような生活の質を維持しようとする考え方。
緩和ケア
 病気に伴う痛みや苦しみを和らげることを優先する医療。
予後(よご)
 今後の病状についての医学的な見通し。
寛解(かんかい)
 症状が落ち着いて安定した状態。

皆さんはどのくらいご存知でしたか?
読み方も難しい言葉がたくさんありますね。
これは、まだ中間報告の時点のものですので、今後変更される可能性もあります。
PETとMRIの説明では、どちらも「体の中の詳しい画像をとる検査」となっていて
違いが分かりにくいですよね。
補足すると、「PET」は、細胞の活性度を見る検査で、腫瘍の「悪性度合い」を調べます。
MRIは、臓器の形を見る検査で、正常な時には見られない「形の異常」を調べます。
どちらも得意・不得意がありますので、組み合わせて検査を行うこともあります。

インターネットの普及で、難しい言葉を自分で調べることもできるようになりましたが、
それでも分からない・理解できない言葉は、医師にきちんと聞くことが大切です。
>>言い換えを検討している言葉(五十音順) 国立国語研究所

これらの難しい医療用語は、今後、医師や患者の意見を反映させて、
2009年春には全国の医療現場で使用できる手引きとして刊行する
予定となっています。
放射性物質、また迷子?
実験用の放射性物質が、輸送途中で行方不明になってしまいました。
国内で輸送中の放射性物質の紛失は前例がないということです。

放射性物質は24日、千葉県市原市の「日本アイソトープ協会」から、
京都府南丹市の研究機関あてに発送されたもの。
大阪空港まで航空輸送され、25日未明、大阪府豊中市の営業所で
下請け業者に配送を依頼した後、行方不明になってしまいました。
無くなったのは「リン32」という放射性物質(液体)1mlで、
プラスチック容器(直径5.5cm、高さ8cm)を、発泡スチロール製容器と
段ボール箱で包み、放射性同位元素が入っていることを示すマークが
張ってありました。

放射能量は37MBq(メガベクレル)で、半減期は14.2日。
段ボール箱表面の放射線は、自然放射線程度ということですが、
飲み込んだ場合は88.8mSv(ミリシーベルト)被曝する可能性があり、
放射線業務従事者の年間被曝線量限度の50mSvを超えるということです。

今年の4月に、やはり千葉県市原市の「非破壊検査」施設から
「イリジウム」という放射性物質が盗まれ、行方不明になるという
事件がありました。

この事件では、個人的な不満が事件を引き起こしましたが、
今回は誰が何の目的で、リン32を持って行ってしまったのでしょうか?
単に迷子になっているだけであれば良いんですが、これが意図的に
持ち去られたものであると危険ですね。
早く見つけて欲しいと思います。

>>段ボールの外観など、詳しい情報はこちら 日本アイソトープ協会
民間でも「陽子線治療」を
10月19日、民間の医療機関としては初となる陽子線がん治療施設
南東北がん陽子線治療センター」がオープンします。

福島県郡山市という立地から、首都圏からの患者も含め、
年間450人以上の治療を目指しています。

陽子線治療は、放射線を体の内部のがん細胞に集中して照射することが可能で、
エックス線治療と比べて正常細胞への影響が少ないことが利点です。
そのため、外科的な治療や従来の放射線では、治療の難しかった
早期肺がん・前立腺がん・頭蓋内病変・頭頚部腫瘍などに対する
治療効果が高いとされています。
(適用には、大きさ、病期、体の状態など、細かい規定があります)

>>詳しくはこちらから 粒子線治療

南東北がん陽子線治療センターでは、オープンに先駆けて、
陽子線市民公開講などを開いています。
詳しくは、センターホームページをご覧下さい。
>>こちらから。
イリジウム盗難 その後
以前ブログで書いた「イリジウム192盗難事件」の犯人に
有罪判決が出ました。
経緯 4/8 誰が何の目的で?

4月、千葉県市原市の設備検査会社「非破壊検査」京葉事業部から
放射性物質イリジウムが盗まれた事件で、窃盗や放射線障害防止法違反
(所持の制限)などの罪に問われていた、同社下請け会社元役員の
判決がありました。

裁判官は「人事異動に対する不満が動機で、短絡的な犯行。
社会に放射線に対する不安を与えた」と述べ、懲役3年、執行猶予4年
(求刑・懲役3年)の有罪判決を言い渡しました。

当時「イリジウム192」という放射性物質が入った容器を盗み出した後、
川や海へ捨てるという無計画性な行動が問題になりました。
間の細かい計算は省略しますが(4/8のブログをご確認下さい)、
もし、盗まれたイリジウムが、専用の容器から外に出ていたら、
原子力発電所で働く作業員1年分の被曝量の放射線が流出して
いたかもしれないのです。
分かりやすく換算すると、胃のバリウム検査の10倍以上の放射線量です。
それにしては、判決がちょっとやさし過ぎる気もしなくもないですが…。

今回の事件では、幸い大きな被害はありませんでしたが、
放射性物質の管理体制をより厳重にして頂くのと合わせて、
犯人には、きっちり反省して欲しいと思います。